本論文は、アフリカのメディア教育においてシティズンシップに向けた教育のためのアジェンダを定義し
なければならないと主張するものである。それに向けての課題は、ポストコロニアル的修正主義にあり、す
なわちメディアに関する考え方と実践をリベラルな方法で行う点である。アフリカのメディア教育には明ら
かにネオコロニアルな依存関係が存在し、その結果、職業的ジャーナリズムの機械化に教育上の重点が置か
れている。しかしながら、アフリカ人は政治的にも市民としてもますます無関心になっている。ここでは、
市民社会に根ざしたジャーナリズムの解放的な構想が必要だと主張する。そして、ラジオリスニングクラブ
のケーススタディをもとに、マラウイ共和国とザンビア共和国の市民に対するメディアの影響を説明する。
結論ではシティズンシップに向けたメディア教育のモデルを提案する。そのモデルの基本的な考え方は、メ
ディア、民主主義、開発という三者の相関関係のクリティカルな分析を強化することである。具体的には、
ジャーナリズムの解放的な構想を発展させること、アクティブ・シティズンシップを育むこと、民主主義の
基盤を発展させ得る組織的構造を定着させること、そして、情報に基づいた人権の遵守を奨励することであ
る。
キーワード:シティ