表現の自由は、人の生死に関わる問題でもあり、生活の糧に関わる問題でもある。あらゆる意見を伝え、
そこで自由な議論が保障されているメディアは、経済成長を助け、企業の透明性と説明責任を促すだけでな
く、健全な政府を支えかつ監視する役割を中心的に担う。いかなるグローバルな問題も政治的闘争も、その
問題言説や解決策の提案においてメディア報道の影響から逃れられないが、先進国、発展途上国に関わらず
世界中の生徒・学生はそのことを理解する必要がある。「メディアとグローバルな変化についてのザルツブ
ルグ・アカデミー(The Salzburg Academy on Media and Global Change)」は、世界に先駆けて、世界
中の大学、メディア組織、文明の同盟やユネスコなどの 国際機関を一同に集め、グローバル・メディア・リ
テラシー(GML)のカリキュラムや授業案、メディアの表現と評価を教えるための問題集や教材の共同開
発を行った。ここで開発されたGMLの 教育資源は、グローバルなコミュニティによってグローバルなコ
ミュニティのためにつくられており、これによって、世界中の生徒・学生が情報社会において能動的で包括
的な役割を担うことができる力を育むことがめざされている。